ポケモンGOのGOバトルリーグの現状について、Niantic社へインタビューを実施!ユーザーの声に対してNiantic社がどう感じているのかを知りたい方はここをチェック!
インタビューを実施
ポケモンGOの対戦システムである「GOバトルリーグ」についてポケモンGOを開発しているNiantic社へフリーライターである深津氏と、現在GameWithで主にポケモン関係の攻略を行っているenoの2名にてインタビューを実施。今回インタビューを行ったのは、GOバトルリーグに関してユーザーが思っていることや感じていることを直接聞くことで、Niantic社の考えをユーザーにも知ってもらいたいというものが主な理由となっている。
回答者
- 須賀 健人氏
(Niantic ポケモンGO&Tokyo Studioグローバルマーケティングリード) - アレックス氏
(Niantic GO Battle League Product Manager)
ランク10の難易度について
質問内容
現状最高ランクの10に到達するには、タイプ相性などのポケモンの対戦そのものの知識や、GOバトルリーグ独自のプレイヤースキルなどかなり高いものが求められる。また過去にランク10に到達したプレイヤーも次シーズンでは到達するのがかなり苦労するなどが起きているが、これらは想定通りなのか?
回答
ランク10は特別なものにしたい
ランク10を特別なものにしたのは意図したものです。他のゲームでも一番上のランクは0.1から0.3%程度のトップの中でも特に優れたプレイヤーがそこに存在するのが通常で、そこにたどり着くまで頑張る気持ちは大切な要素だと思っています。
ハードルの高さは意図したものではない
ランク10に到達したときの達成感や満足感、誇りに思ってほしいですし一番上のレベルに到達するためにがんばってほしいという思いがあります。ただし、現在は当初想定していたよりもランク9からランク10へのハードルが高くなってしまっています。
ランクシステムを改善予定
この状況を改善し、最高レベルまでのカーブを緩やかにするため、ランクをシーズン6以降は24段階まで拡張します。ランク20までは勝利数とプレイ数で上がることができ、その後の21から24がレートバトルになります。これによってランクが徐々に上がる、カジュアルユーザーにとって楽しみやすくなり、また、ランクを上げていきたいと強く感じるプレイヤーの方々も成長を感じていただけるようになると思っています。
報酬について
質問内容
アバターのポーズ、マスクド・ピカチュウなどの魅力的な報酬がランク10に到達すると受け取れます。その一方、ランク10へのハードルの高さからライト層には手が出せない現状もある。報酬を含めランク10までは誰もが目指せるもの、そこから先はレートを競うコア層向けのコンテンツにはできないのか?
回答
アバターは名誉のため残したい
ランク10で手にすることができるアバターのポーズは実際のゲームに直接役に立つものではありません。ただし、名誉のために他の人に自慢できるこのゲームの中でほぼ唯一のものだと思っています。この部分に関しては今後も残したいと考えています。
リワードについては考えている
もう一つの報酬であるマスクド・ピカチュウなどの特別なポケモンについては、より多くの方々にゲームをお楽しみいただけるように引き続きチームで考えてまいります。
レート変動について
質問内容
過去のシーズン中に勝敗時に変化するレート値が変更される事態が発生した。具体的にいうとシーズン3に至っては、従来5勝してもレートが+20前後だったがマスターリーグ開催後から突如+90前後上がるようになった。これをシーズン中にされてしまうとスーパー&ハイパーリーグをプレイする必要がなくなってしまう。なぜ、こういった仕様変更をシーズン中にしてしまったのか?
回答
想定以上に混戦した
シーズン3のスーパーリーグは私たちが想定した以上の混戦となっていました。環境に変化が起こり、ユーザーのテクニックが向上しトレーナーの勝ち負けが明確ではなくなっていた。過去に勝てていたユーザーも過去と比べると勝てないような状況になっており、その結果シミュレーションよりもランク10になる人数が下回ってしまいました。ランク10に到達する人が一定数以上いることが大切だと考え、システムのバッファを変更しました。
レートの変動率を変更したわけではない
ポケモンGOの対戦では、そのプレイヤーがどこのレートが適正かを元に勝敗時のレートが変化するようになっています。そのため、変更の内容は1回あたりのバトルの上げ幅の調整ではなく、そのトレーナーがどこのレートにいるべきかという幅を広くしたということになります。その幅を広げた結果、レートの上限が大きくなるという結果になりました。
シーズン4以降では改善
シーズン4に関してはシーズン3で行ったシミュレーション周りを改善をし、始めにランク10になった方のタイミングは私たちが想定したものと同じタイミングになりました。そのため、調整に関しては改善できてきたと考えています。もちろんこのレートのシステムをシーズンの途中で変えることはまったく理想的ではなかったと思っています。
コミュニケーション方法を改善していきたい
仕様変更時などのコミュニケーションに関しては社内でもたくさんの議論がありました。GOバトルリーグにかかわらずポケモンGOについてお声をいただいている点でもあります。コミュニケーション方法を改善してまいります。
レガシー技について
質問内容
現在普通の「わざマシン」で覚えられない技を持つポケモンが複数存在するのですが、これらのものを持っていないからという理由で新規プレイヤーが離れてしまう。また、ハードルが高く感じてしまうと思っています。このような部分に関してはNianticとしては交換で手に入れて欲しいなどを考えているのでしょうか?
回答
すごいわざマシンについて
コミュニティデイ限定で覚えることができる技については当初、コミュニティ・デイでつかまえた特別なポケモンになにかしら特別なものを付けたいという思いがありました。「すごいわざマシン」も、もともとはコミュニティ・デイのためにできたものでした。
有利なポケモンが存在しているのは把握している
過去にした調整の結果、現在対戦において有利なポケモンが生まれてきてしまったことがあります。たとえばラプラスの「こおりのつぶて」やジュゴンの「こごえるかぜ」などがこれにあたります。これは私たちがもともと想定していたものではありませんでした。
解決すべき課題と思っている
これらの問題に関してはまだ解決すべきと思っています。一緒にいてくれているプレイヤーの皆さんが一緒にいることが無駄ではなかったと思ってくださること、新規のプレイヤーの方々を入りやすくするというバランスをうまくとらなくてはならないと認識しています。ここは課題のひとつでもあります。
試合数の制限について
質問内容
他ゲームではレート戦などにおいて対戦数の制限を設けることは少ないと思います。現在Niantic社として対戦数に1日の制限を設けているのはなぜでしょうか?理由などがあれば教えていただきたいです。
回答
哲学によるもの
試合数に制限を設けているのは、私たちの哲学によるもので意図的に行っております。ポケモンGOは本来プレイヤーの皆さんに現実世界での「トレーナー」になってほしいという思いがあります。ポケモントレーナーはバトルをするだけではなく、外にでかけてポケモンをゲットし、GOロケット団と戦い、レイドバトルをするなどすべてがトレーナーに行っていただきたいことです。
GOバトルリーグのみを行ってほしくない
仮に24時間対戦することができるようにしてしまうと、それだけを行ってしまうプレイヤーが出てくるかもしれない。そうではなく、ポケモンGO全体を楽しんでいただくためにあえてこのようなシステムにしています。
無制限にすると報酬も変わる
今は世界情勢などを考慮し、無くなっていますがもともと「歩いてアンロックする」というタスクがありました。制限なしにしてしまうと今提供している報酬のバランスも考えなくてはならなくなります。
使用率などの開示について
質問内容
シーズン毎に人気のポケモンが入れ換わるのもGOバトルリーグのの魅力ですが、それを常に追っていけないライト層も多い。シーズン開始後、ポケモンの使用率をゲーム内で表記。それを参考にGOバトルリーグにチャレンジするといったアシストはできないのか?
回答
ちょうど話し合いを行っている
ゲーム上で人気のポケモンなどをどのように見せたらいいかという話は、ちょうど現在行っている最中で、そのようなことは常に考えています。過去にソーシャルコンテンツの一環でこのようなポケモンが使われていると出したことがありますが、今後についても引き続き検討します。
難しい課題もある
課題の一つとして、ポケモンのメインシリーズに詳しいトレーナーとポケモンにはじめて触れるトレーナーのふたつのタイプの方々がいらっしゃることがあげられます。この2種類のトレーナーの方々に対してそれぞれに正しい知識を深めるコンテンツを提供することは、楽しい課題ではありますが複雑で難しい課題でもあります。それも含めて検討を進めています。
ラグの問題について
質問内容
対戦中に関するラグ、接続が不安定になる問題は長く続く課題にもなっております。しかし、世界を見れば同時接続でバトルロワイヤルに挑むアプリなどもあり、100人、60人といった規模でそれが実現する中、なぜ1対1のGBLではいまだ解消されないのか?根本的に仕組みが違うというのであれば、その詳細を教えてほしい。
回答
端末や接続が世界共通ではない
ポケモンGOは世界中で多くのプレイヤーに楽しんでいただいており、私たちはそれを誇りに思っています。しかし、なるべく世界中のプレイヤーに遊んでもらおうとするということはそれだけ端末の種類、接続状況などが様々になります。
設計が大きく異なる
ポケモンGOは特定の場所で多くの方が遊ぶというスタイルのゲームで、ある場所に集中しても遊べるように処理するというのがポケモンGOの主なゲーム設計としてありました。ただし、GOバトルリーグはこの設計とはことなり、サーバーチームは通常とは異なるシステムを対戦のために最適化をする必要があり、この部分については改善し、最近は以前と比べると安定して遊んでいただけるようになりました。
これからも改善を行っていく
改善はかなり進んでおりますが、今後もサーバー設計については日々進化をしていきます。ラグや通信の問題についてはこれからも改善を継続して行っていきます。
プレイヤーの皆様へのメッセージ
これからも楽しんでほしい
GOバトルリーグをお楽しみくださっている皆さんにお礼を申し上げたいです。よりお楽しみいただけるよう、チームで改善を続けていますので、これからもお友だちやご家族とも一緒にお楽しみください。
eスポーツの新しい形を提案したい
個人的なビジョンでもあり、GOバトルリーグだけで叶えられるものではないと思っているのですが、大きなビジョンとしてeSportsの再発明をしたいというものがあります。Ingressのエージェントオリンピアードや日本で行ったeスポーツのイベントなどで、eSportsの新しい形を垣間見せることができたのではないかと思っています。GOバトルリーグというよりもポケモンGOのバトル全体がそのようなものの再発明につながると良いと考えています。
種目の一つとして対戦を取り入れたい
GOバトルリーグで大切なのが、バトル単体で完結するものではないという点があります。例えば他のゲームではキャラクターを選んだら、あとは実力だけというものもありますが、GOバトルリーグではポケモンGOの全ての要素が必要です。外に出てポケモンを捕まえ、人と交換するなどトレーナーとしての資質が試されるものがGOバトルリーグだと思っています。最終的なビジョンとしてはオリンピックスケールの大会を行い、そのクライマックスのような形で対戦が入ってくると良いなと思っています。
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