ポケモンGOの回答詳細

このゲームを運営の意図する形で残せるかどうかのターニングポイントになると思います。

これほどゲームの根幹に関わる部分で、取り締まり不可能な事項を抱えたオンラインゲームは他に類をみません。
ここで言う取り締まり不可能な事項とは、マップツールの「使用」のことです。
位置偽装や使用者のポケモンGOアプリに干渉するアプリであれば運営が使用を察知できる可能性はあるでしょうが、そうでない限り運営が使用の有無を判断することは不可能です。
運営が使用者の端末にどんなアプリがインストールされているかを知ることは当然できませんし、それにピンとこなくても別端末で使っていれば伝わりようもないことはわかるでしょう。
プレイヤーがシューズを履いているか長靴を履いているかと同様にわかりません。

オンラインゲームが規約を必要とするのは、プレイヤーどうしが繋がる競技性のためです。
競技であるからには、ルール違反をジャッジできなくてはいけません。
どんな競技でも、物理的に取り締まり不可能なルールは有効なルールとは言えません。

ですから他のゲームでは、ゲーム内のデータに干渉するようなものでない限り、プレイヤーの手助けとなる外部ツール（デジタルアプリであれ物理的な道具であれ）の使用を禁止していません。
ポケモンでいえば個体値チェッカーのようなものですね。
それはたとえ禁止しても取り締まり不可能だからです。
それで問題になってなかったのは、従来のゲームでは何かのツールができたからといってゲームの根幹が揺るがされるようなことがなく、プレイヤーの知恵として認められたからでしょう。
ゲームの作り手はそのように作る必要があるとも言えます。

それがポケモンGOではそのゲームの特殊性から、根幹を揺るがす外部ツールが出現し、大問題になってしまいました。
使用を取り締まれないのであれば、そのツールを存在しないようにするしかないのですが、これほど長い間その存在を許しており、これまでのところ運営が意図していた競技は崩壊していたと言えます。
他の方も指摘していましたように、たとえそのツールを直接使っていなくても、世の中に流れていたポケモンの捕獲に関する情報はその多くにマップツールが関わっており、情報を得ながらプレイする限りマップツールの影響を全く受けないことは不可能な状況でした。

今回の対策により、ひとまずマップツールは使えなくなりました。
しかし新しいAPIが解読されしだい復活するとの観測も出ています。
それが本当か私にはわかりませんが、もしも今後もマップツールの存在期間が多くなるようであれば、実質的にそれを前提にゲームを運営するしかないでしょう。
プレイヤーどうしのバトルが実装される段になってもマップツールが存在しその使用者を区別できないのであれば、事実上認めざるをえません。

思うに、「存在する道具（ゲームに干渉しないもの）を使うな」という規約がそもそも無理があると思われます。
今回のマップツールの問題は構造上、そのツールがゲームに足りない部分を補っていた側面があり、かつそれが大きな問題であったことは事実です。
運営もポケモン探索機能を開発しており、運営自身も現状で不十分と考えていることは明らかです。
それを一方的に「本来の楽しみを損ねている」などと言うからプレイヤーは違和感を覚えます。
「ポケモンを見つけやすくする機能は必ず実装するからどうかそれまでマップツールは使わず待ってくれ」と言えばまだプレイヤーの受け入れ方も違ったろうにと思います。

マップツールが存在するとしても「ちょっとした手助け」程度の差に収まるようにゲームが早く改善されることを願います。